【世界のネクタイの歴史】
★2世紀初頭恋人たちの”お守り”
ローマ兵士たちが防寒のために首に巻いたウールの布--これがネクタイのルーツといわれています。”フォーカル”と呼ばれたこの布は妻や恋人たちが戦地へ向かう兵士たちの無事を祈って贈った大切な”お守り”でもあったようです。
★17世紀後半ルイ14世による大流行
襟元の装飾品としてネクタイの原形ともいえる”クラバット”が、当時のフランス国王ルイ14世によって大流行。きっかけは、王に仕えるべく駆けつけたオーストリアのクロアチア兵たちが揃って首に巻いていた布。闘志をアピールし、しかもスマートなこの衿飾りに注目した王は、さっそく宮廷ファッションに取り入れ、いつしか一般市民へと普及していきました。
17世紀 クラバット
クラバットとは首に巻いた長方形のスカーフのこと。
ルイ14世と側近の者との会話で•• 「あれは何だ?」
側近の者:クロアチア兵士について尋ねられたと勘違いし、「クラバット(クロアチア兵)でございます。」
と答えた為、クラバット(cravat)と呼ばれた説があります。
18世紀にかけて、クラバットは一般にも広まって、民間人の間でも徐々に普及してきました。 この形のクラバットは第一次世界大戦頃までの一般的な男性の正装となりました。 (現在でもフランスではネクタイを"cravate"、イタリアでは"cravatt"と呼びます。)
1692年 スタインカーク
1692年スティーンカークの戦いがあった。その戦いの中、公爵たちは、戦いのために急いで着替える必要があったので、首の周りにクラバットを巻き、生地の両端をらせん状にねじまげ、終端をジャケットのボタン穴に通した。通常この巻き方をスタインカークと呼ぶ。
★19世紀フランスからイギリスへ
ファッションの主流はフランスからイギリスへと移行。ロンドンファッションの軽快さに合わせて、クラバットの結び方もシンプルになりました。”ネクタイ”という言葉が使われだしたのもこの頃からです。
19世紀はじめ ダービータイ
ダービータイとは細型の先端が剣先のようにとがった結び下げネクタイのこと。
現代の形のネクタイは、競馬でおなじみの
ダービー卿に始まります。
ダービーが所有する「ダービー競馬場」に
出かける男性は、細型の先端が剣先のようにとがった結び下げネクタイを、つけていったそうです。
これがかっこいい、ということになり、
「ダービータイ」という愛称がついて
流行っていったそうです。
1840年: "タイ"が"クラバット"の代わりの語になる。
1850年代蝶ネクタイの登場
クラバットの結び目だけを独立させた”蝶ネクタイ”が登場。
1864年: 初の大量生産の既製ネクタイが特許を取得し、ドイツとアメリカの多くで広く人気になった。
1870年代アスコット・タイの出現
アスコット競馬場に集まる紳士たちが新しいネック・ウェアとして取り入れたという”アスコット・タイ”が出現しました。
1890年代現代のネクタイの誕生
いわゆる現代のネクタイ、”フォア・イン・ハンド・タイ”が登場。フォア・イン・ハンドとは”四頭立て”という意味で、馬車の御者が手綱さばきに便利なよう考え出した結び方といわれますが、それ以前に、イギリスの紳士オスカー・ワイルドが創案したという説もあります。
いずれにしても、フォア・イン・ハンド・タイは、そのシンプルさと結びやすさでネック・ウェアーの主流となり、100年たった今に受け継がれています。
1920年代、
フランスのファッションデザイナーたちは最初の種類の"デザイナータイ"を発明する。より高価な素材、キュビズムやアートデコ運動から発想を得た模様の装飾でできていた。
1920年代 マックルフィールドタイ
1920年代、マックリスフィールドタイは裕福なアメリカ人のあいだで人気になった。この種類は幾何学的な模様が特徴。特に今世紀始めのロンドンのこの地区の機織り工場のものが有名。
1926年代、
アメリカの仕立て屋であるジェシーレングドーフはネクタイ生産の新しい手法を造り出す。伸縮性と元の形に戻る能力の素材の改善
1936年 "ウィンザーノット"発明
1936年、ウィンザー公爵がウィンザーノットを発明する。広い、三角形の結び方。
1940年代、
ネクタイは広めになり、ユニークな模様で装飾された。なお、いっそう表現の自由の象徴になった。
1950年代、ネクタイはより薄く、少な目の装飾になった。
1970年、
エルビスプレスリーが平凡な黒のネクタイを着るのをやめる。そしてキッパータイをアメリカに生産する。その究極の幅、はでな色と模様によって知られている。
1971年代、
ボロタイ(ループタイ)は一組の飾りひもか、編まれたレザーでできていて、装飾された金属の先端が付いている。
1983年 レザータイ
1983年、細い、レザーのネクタイが人気になり、通常ペイズリーかピンストライプのシャツに合わせて着られた。
1986年、アパレル会社のラルフマーリンは魚の形をしたネクタイを生産した。
【日本のネクタイの歴史】
18世紀の中頃ジョン万次郎、ネクタイと帰国
ジョン万次郎の帰国とともに日本に渡来したと言われています。
明治17年国産ネクタイ第一号
帽子商小山梅吉の手による蝶ネクタイが国産第一号。
大正末期一般市民のアイテムへ
洋服の普及に伴い、ネクタイも一般市民へと浸透、その後流行に合わせ形や色彩に変化を見せながらも、メンズファッションに欠かせないアイテムとして、ますます注目を集めています。
出典: ARA、ネクタイの知識いろいろ、NAVERまとめ